子供の頃から、
身の回りに起こる現象の成り立ちに興味があった。
街の科学館が大好きだった。
夢は科学者になることだった。
高校生になって進路を決める頃には、
科学者=研究者だと理解をして、「研究」をしに大学へ行こうと思った。
紆余曲折あって、都内の大学の看護学科に入学した。
看護師になる勉強・実習をしながら、
大学3年生の後半からやっと卒業研究が始まった。
研究法の勉強から始まって、研究室に配属され、卒業研究が始まった。
指導教員に手取り足取り教えてもらいながら、初めて自分で進めていく「研究」はとても楽しかった。
『研究が楽しい』と言うと、同級生からは、
『すごいね。意識高いね。』ってよく言われた。
でもそうやって言う人たちの言葉や視線は、
いつもあまり心地よくはなかった。(完全なる主観だけど)
それがちょっとだけ悲しかった。
私、全然意識高くないんだけどな…。
って、コンプレックスに思ったりもした。
「研究」に興味がある、好きってだけじゃ駄目なのかな…。
もっと意識高く頑張らないといけないのかな…。
でも、そんな自信は全くない。
そういうコンプレックスがあった。
だけど今、大学院で学びを始めて、とても心地がいい。
何かを頑張る時に大切なのは、
「同じ志を持った仲間と一緒にいることだ」って誰かが言っていた。
今は、大学院という環境に身を置いて、
同じ志を持った仲間たちに刺激をもらいながら、
趣味の一つみたいな感覚で、研究に取り組めている気がする。
それがとても心地いい。
心地がいいから、以前のようなコンプレックスも薄れてきた。
だって趣味なんだもん。
そうだ、他人の趣味に対して「意識高い趣味だね」コメントするのはお門違い。
だから私がこれまで言われてきた「意識高いね」は、
全部お門違いだったということで、気にすることはない。
そう思えたら少しラクになった。
そして今の環境に感謝して、
これからも一歩ずつ歩んでいきたいなと思った。
最近、学部の卒業研究が、原著論文として学会誌に掲載された。
アカデミックな世界に、ほんの少しだけ名を残せた。
その記念に少しだけ、想いを綴ってみた。
2023/07/07
honoka
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